Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

ほのぼのボストン(ニューヨーク、ボストン旅行記 7)



旅行の後半はボストンへ。午前10時ニューヨーク発の列車に乗り、右側の車窓に海沿いの綺麗な景色を眺めながら3時間半ほどの道のりを経て、午後1時半にボストンに到着する。相変わらずの乾いた晴天が広がっていてありがたい。

宿にチェックインを済ませ、早速ボストン散策に出かける。中心部の公園ボストン・コモン、れんが作りの住宅街ビーコン・ヒルを歩き、さらにチャールズ川のほとりに出ると穏やかな川の水面がきらきらと光り輝いている。翌日も含めてボストンの街を方々回ることになるが、本当にいい街だなと素直に思った。建物や通りからは歴史が感じられ、ダウンタウンは活気があり、街並みの雰囲気はエリアごとに適度に変化し、まとまった緑や広々とした川もある。ケヴィン・リンチの「都市のイメージ」が実際のボストンから帰納した面の大きい都市理論であることも納得できたし、良くも悪くも強烈で極端な街だったニューヨークとはまた違ったオーソドックスな魅力のある街と感じた。住みやすい都市ランキングなどで上位に挙がるタイプの都市だろう。

夕方はそんなボストンに1年少し前から住んでいる大学時代の先輩夫婦&2か月の女の子の赤ちゃんを訪ねる。ボストンの中心部から地下鉄で20分ほど離れた駅のそばのマンションで暮らしている。初日は僕とは別に日本から旅行に来ている女子2人も一緒に近所のシーフード料理(美味しい)を食べ、2日目はマンションで家庭料理(美味しい)をご馳走になる。家族3人とも皆元気そうで、ボストン生活にもすっかり慣れたようで、どちらかと言えば帰りたくないと話されていた。当人たちにとっては既に普通となった日常をこなしているだけなのだろうが、3人のシンプルな生活は、はるばる訪ねてきた僕たちに静かな感銘を与えるものでもあった。

そして赤ちゃんはとにかくかわいい。僕が会ったのは2日とも夕方ということで機嫌が悪いことが多かったが、2日目に僕が着ていた白地に赤と青のボーダーの服の赤色に反応したらしく興味津々で見つめてくるので、僕が「なるほどわかった」と服の袖を振ったり、赤色の服を着たクマのぬいぐるみを目の前で動かしてあげると狙い通り目を見開いて、何かを希求するかのように小さな手足を動かそうとしたりする。けれど、ママが抱っこしながら「リヒトお兄ちゃんは明日帰っちゃうんだよ」と話しかけると、よりによってちょうどニカッと笑ったりもした。愛想を振りまくのもタイミングってものがあるんだよ、と教えなければならないと思った。