Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

フォーラムビルディング

完璧、傑作、圧倒的…

谷口吉生の設計で最近外苑前にできた「フォーラムビルディング」はこんな言葉であまたの人に激賞されているので、僕も先日見に行った。皆、ディテールがすごいと言う。技術的なことについてぺらぺら語れるような知識と経験がないのはアマチュアである学生のつらいところだが、宙に浮かんでいるかのような繊細な佇まいには僕も驚いた。柱細すぎません?


見学して後、改めてこの建築に関する雑誌の記事などを参照してみると、ふむふむ、約400mm角の柱・梁で構成された3.600mm間隔の格子のことを中心に、色々と書いてある。僕が特に「お」と思ったのが、日建設計の山梨知彦さんの指摘で、谷口さんについて「雑多な諸条件と、関係者からなるチームの創意工夫とを、建築へと統合するための大きな旗振り役、ファシリテーターとしての役割」からも言及していた。

そう、これなんだ。傑作を前にしたとき、作品そのものだけでなく、どうやって作ったのか、あるいはどんな妥協があったのか、プロセスも含めてイメージを持ちたいという思いが大きくなってきている。このことは、谷口さんとはテイストは異なるが、カルロ・スカルパの建築を訪れたときなども強く感じた。物(ブツ)としての完成度に感心するものほど、それを支えたチームワークやキャプテンシーに連想がいくようだ。「フォーラムビルディング」の場合、あまりに端正で涼しい顔した外観のために、自分の中での連想のリアクションが少し遅れはしたけれど。