Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

情熱のオースミップ

2003年以降すでに100人以上の学生をドイツ、ベルギー、フランス、ポルトガルに送り、僕にもパリでの1年間をさずけてくれた交換留学プログラムAUSMIP(オースミップ)。これが今年度で節目の10周年を迎えたということで、10年間の派遣学生の同窓会が昨日開催された。来れなくて残念だった人もいるけれど、久々に会えた人もいた。ラ・ヴィレット建築大学のブルディエ先生も来ていて、僕ら8期生のパリ組で挨拶にうかがう。ブルディエ先生は、フランスでは話さなかったが実は堪能な日本語を披露した。以下のような互いのリップサービス(?)。

ーほう、みんないいところに就職して。
ーParce que nous sommes AUSMIP étudiantes.(僕らはAUSMIP生ですから)

初代の1期生の方とも話すことができた。最初はヨーロッパでの学校生活や、留学と就活の時期の兼ね合いなど、すべてが手探りで行き当たりばったりだったようだ。いつだってパイオニアは尊敬に値する。僕らは8期生なので、すでに留学プログラムとしてすっかり軌道に乗り、諸手続き等も実にスムーズになっていた時期に留学できた。そして僕らも先輩方の築いてきた7年分の蓄積を享受しつつ、発展させられたことを自負していいと、今では思う。

また、11期生もこれまで通り奨学金をもらえて数か月後から留学できることになったらしい。オースミップは毎年のように今年が最後と言われながら、綱渡りのようにして存続してきた取り組みでもある。これについて大野秀敏先生が昨日僕らに話してくれたことによると、オースミップ担当の松村先生やブルディエ先生の膨大な書類ワークがあってこそ実現した、そういう情熱が無ければ何も起こらない。大野先生ほどの凄いインテリジェンスを持った人の口から語られた「情熱」という言葉には重みを感じた。

この言葉をしかと受け止めたうえで、留学の経験をこれからどう還元していけるのだろう。

、、、このような優等生的な発言は、まあできる。これくらいは書ける。しかし、影で支えてくれた方々のありがたみを自分が本当に腹の底まで飲み込めているかとなると、実にあやしい。むしろこの先自分が人知れず膨大な(書類)ワークに情熱を注ぐくことになったときに、「ああ、これが…」と、ふと気づくのかもしれない。そういうものなのではないかと思う。