Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

プレゼン研修

いつの頃からか、プレゼンというものが嫌いになっていた。特にパワーポイントで用意したスライドを説明していく形式のものが。自分がするのも、他人のプレゼンを聞くのも好きではない。たとえばTEDのプレゼンの中には感銘を受けるものもあるが、そのレベルでなければ例外にならない。一人の人が、聞く人たちの時間を奪って話をするという形式に抵抗感があるのだと思う。そしてたぶん、これは小・中・高の授業への抵抗感が根本にあるためだと思う。

だから、先日、会社の会議室で一日がかりで行われた「プレゼン研修」は、開催を知らされたときから、イヤだなあ、と思ってきた。しかし、もう子供でもないので、頭ごなしにイヤだと決めつけまいという、健気なモチベーションで臨んだものでもあった。普段は午後からつけるコンタクトレンズを朝からつけて家を出た。

そんな心構えが報われたのか、結果的には良い研修となったと思う。受講生は同期の社員が七人、講師は研修サービスを提供する会社の方。講師の方は西日本の訛りが少し入った、精悍で気さくな男性で、この手の講師にありがちな「俺、ちょっと成功しちゃったから、みんな俺の話を聞きなよ」といった類の尊大さは無かった。研修本編では、講師の方の説明、グループディスカッション、そして一人ずつ皆の前に立ってのプレゼン実践などのメニューがテンポよく配されていた。ハウツーよりもむしろ、日常業務の打合せなども広義のプレゼンと捉えた上での本質的な事柄を議論する機会が多く用意されていたこともよかった。今回の研修を上司に報告するという設定での最後のビデオ撮影でも、僕は「プレゼンを聞くのも好きではなかった。先日の働き方改革の説明会でも、外部講師の方のプレゼンについて、心の中では、プレゼンスキルのマニュアル通りにできていましたね、と皮肉の拍手を送ってしらけて見ていた。しかしこうした態度は、相手視点に立っていないとも言えるので、今後は、一旦は素直に相手の伝えたい内容に寄り添う姿勢が必要だと思う」このような話を無難にまとめるにいたった。とはいえ一日でプレゼンへの苦手意識が一気に変わるはずもなく(そんなにすぐに変わったら、それはそれで浅薄で、胡散臭くないだろうか)、たぶんプレゼンはひきつづき鬼門。

翌日、建物のプラン方針について試行錯誤を繰り返していたとある案件で、クライアントと顔を合わせての打合せで、互いに与件を再整理できて良い方向に進んでいった。ほっとした。