Weekend Note

2010年ブログ開設。日常、建築、旅行などについて書いています。

2011-01-01から1年間の記事一覧

コンヴァンシオン

木曜日は聖だれだれの日か何かで休日だった。ありがたい。午前は寮でこまごまとした雑事をし、午後からは何となく思い立ってローラン・ギャロス(開催中の全仏オープンテニスの会場)に行ってみた。パリの西に広がるブローニュの森の南にあり、寮からは一時…

ル・トロネとフォントネー

シトー会は、清貧、質素を厳格に守る修道生活を目指して中世に現れた修道会。日曜日にはパリから日帰りで、最古のシトー会修道院であるフォントネー修道院(1118年)を訪れた。2月の南仏旅行のメインでもあったル・トロネ修道院もシトー会なので、装飾を廃し…

ビッグイヤー

毎年午前3時半に起きて観戦していたチャンピオンズリーグの決勝を、今年は寮のカフェテリアでゴールデンタイムに見ることができた。バルセロナ対マンチェスター・ユナイテッド。前半はバルサのペドロ、マンUはルーニーが決めて1対1。マンUも粘っていたが、 …

コンペ提出後

ランドスケープ・アーキテクトとして今ノリにノッテいるらしいカトリーヌだが、今日提出したコンペは見事にサイテーだった。忙しいスケジュールもあって、時間がとられていなかった。僕はコンペにはあまり関わっていなかったので提出前の二日間ほど手伝った…

パレ・ド・トーキョー

ラカトン&ヴァッサルのパリでの作品がパレ・ド・トーキョー。1937年の万博の日本館として建てられ、曲折を経て、現代アートの美術館として2002年に開館した。改修を行ったのがL&V。内装を剥がし、壊し、コンクリートの廃墟のような空間が残される。そうして…

ラカトン&ヴァッサル

5月からのインターンで、カトリーヌ・モズバの他に最も興味があったのが、建築家ユニットのラカトン&ヴァッサルだった。メールも送ったが、来月のインターンはもう埋まっているとの返事が来たので、カトリーヌの事務所に行くことになったいきさつがある。ラ…

西安の結婚式場!?

今、中国の西安で世界園芸博覧会というイベントが開催中で、カトリーヌ・モズバもランドスケープデザイナーとしてインスタレーションを受け持っている。4月の末にオープニングに参加してきたようだ。そのときに撮ってきた写真を見たのだが、施工の粗さに唖然…

「ノルウェイの森」へ

日が少しずれるが、先週の金曜は20時半頃にポルト・デ・リラに帰ると、フランスでも今月から公開されている「ノルウェイの森」の映画を見に行くという河合さん、きょうすけ、たくと行き会い、僕も寮に戻らずそのままUターンして一緒に行くことに。生活には…

少しずつ

スタージュの3週目が終わった。カトリーヌはフランスでは有名で活躍しているだけあって、デザインは個性的だ。ランドスケープデザインは幾何学的平面をよく使うイメージがあったが、彼女は自然界のパターンを利用するのが好きで、これは新しい考え方だそうだ…

一周年の日記

先日、ブログとは別に毎日書いている日記をつけ始めて一年になった。大学ノートに書いていて、一日に平均10行くらい、旅行などのときはもっと増える。写真は気取ってますね、ハイ。そもそもは、建築学科の先輩のブログに難波先生が 「思考停止に陥らないため…

苦戦がつづく

今回は週5日で通っているスタージュの2週間目が終わった。ところで、以前の記事ではmosbach paysagistesをモバシュ・ペイザジストと表記したが、どうもモズバと発音するみたいだ。どこかでカトリーヌ・モバシュと表記されていたのだが。ある程度の覚悟はして…

La Nuit americaine 2

La Nuit americaine (1973)「アメリカの夜」は、映画作りに関する断片的なエピソードの集積でできている。花瓶でも猫でも、これほどいきいきとした映画はめずらしい。トリュフォーが実際に体験した、あるいは見聞きした、あるいは創作したとりとめのないイメ…

La Nuit americaine 1

La Nuit americaine (1973)月曜日は19時でスタージュをあがってから、「アメリカの夜」を観るためにシネマテーク・フランセーズに直行した。フランソワ・トリュフォーの監督による1973年のフランス映画で、アカデミー外国語映画賞を受賞した。邦題では「映画…

仕事はじめ2

火曜日から「モバシュ・ペイザジスト」でのスタージュに通いだした。スタッフは3人、スタージュ生も今は僕だけの、意外に小さな事務所だ。僕と入れ違いでボスのカトリーヌと日本人スタッフの戸村さんが中国に出張に出かけたので、しばらくはマリオンとソレン…

歩きつかれて

イギリス旅行から無事に帰ってきた。最後のスコットランドも寒くはなかったが、パリはもう冬服にさようならを告げられる初夏の気候だ。旅行は、楽しかったというよりはきつかったという思いが強い。もっと後になれば楽しい思い出として振り返ることにもなろ…

チャールズ・レニー・マッキントッシュ(イギリス旅行記 17)

最後の滞在地、スコットランドで一番の大都市グラスゴーに着く。グラスゴーの街は…まあ、ね。エディンバラと比べるのは気の毒というものだ。グラスゴーといえば、20世紀前後の建築家・画家のチャールズ・レニー・マッキントッシュが活躍した街で、彼の建築を…

懐かしい街(イギリス旅行記 16)

建築学科に進学したばかりの大学二年生の冬学期、神田先生の講義で、先生がエディンバラにいたことがあると聞いた。そのとき「いいな、行ってみたいな」と思った覚えがある。あれから三年半が経ってこうして来られたのだから、ぼんやり思っていることは意外…

パリに初めて来た時のように(イギリス旅行記 15)

エディンバラは玄武岩溶岩の上に街が出来ていて、溶岩が氷河に削り取られた残丘の岩山が残る(ウィキペディアより)。街の基本的な骨格は、ニュータウンとオールドタウンが谷を挟んで対照的な姿を見せていてわかりやすい。ニュータウンは18世紀以降の都市計…

エディンバラの写真たち(イギリス旅行記 14)

旅も終盤、スコットランドの首都エディンバラにやって来た。ニューキャッスルから移動して昼頃に着き、その日の半日歩いたところで、この街はよく見ておかなければならないと直覚し、予定より多く3泊滞在した。 今日の記事は写真編。なにしろフォトジェニッ…

これがハドリアヌス(イギリス旅行記 13)

今日はニューキャッスルから日帰りで世界遺産のハドリアヌスの長城(Hadrian's Wall)に行く。ローマ帝国の皇帝ハドリアヌスがケルト人の侵入を防ぐために建設した城壁だ。ニューキャッスルの観光案内所のおばさんに従って、バスで一時間ほど離れたド田舎で…

双子都市、橋、天使(イギリス旅行記 12)

湖水地方を発ち、次の街ニューキャッスルへ。イングランド北部、タイン川を挟んでゲーツヘッドと双子都市をなす。昼過ぎに到着し、宿のチェックインを済ませて街へ出かける。こぢんまりとした街並みを通ってまずはタイン川へ下りてみる。と、いきなりミレニ…

風光絶佳(イギリス旅行記 11)

今日は朝早く目が覚めた。午前は宿の周りを散策する。昼からバスでウィンダミアの町へ行く。町を少し歩いてから店に入り、昼食をとる。本日のスープ(マッシュルームだった)とマキアートが美味しかった。それから近くの小高い丘オレスト・ヘッドに登る。頂…

湖のユースホステル(イギリス旅行記 10)

夜10時頃、宿のロビーで休んでいると、突然ダーンという銃声が響いた。どうやら116号室かららしい。受付にいたキャスリーン嬢が合鍵で部屋に入り電気をつけると、悲鳴を上げた。男が心臓を撃ちぬかれた死体となって仰向けに横たわっていた!無人の部屋、湖に…

羊をめぐるのどかな冒険(イギリス旅行記 9)

約二十日間のイギリス旅行の中で、最も良かったのが、終盤のエディンバラと、これから書く湖水地方(Lake District)だった。湖水地方はイギリスの中では山岳地帯にあり、湖の点在する景勝地。豊かな自然の中で3泊4日過ごした。羊の牧場が多く、人間よりも羊…

ビートルズ・ストーリー(イギリス旅行記 8)

リヴァプールの港のアルバート・ドックの一角に「ビートルズ・ストーリー」という名の博物館がある。展示と日本語のオーディオガイドとで、四人の少年時代からビートルズ解散までの経緯を知ることができる。少し入館料は高いが実に充実した内容で、30個ほど…

リヴァプール〜チェスター(イギリス旅行記 7)

今日はまずリヴァプールからバスでチェスターの街へ行ってくる。チェスターには建築・都市の見学に行ったという意識だ。城壁の中に道が十字に通るという古代ローマ都市の骨格がまことにわかりやすい。そして、十字に交差するメインストリートの2階レベルの公…

持たざる街(イギリス旅行記 6)

今日はロンドンからリヴァプールへの移動日。途中、太田先生が都市デザインの授業(面白い授業だった)で称賛していたバーミンガムに寄る。13時に到着し、何時間も歩き回り続けてみる。たしかにイギリス第二の人口の都市だけあって活気がある。何がそんなに…

バースと「三日月」(イギリス旅行記 5)

ロンドンから日帰りでバースへ行く。古代ローマの公共浴場の遺跡などがある人気観光地だ。昼過ぎにバースに到着。山あいの地形のなか、はちみつ色の街並みがかわいらしい。さっそくローマン・バスに行く。この遺跡は街のど真ん中にあって、現在では当時より…

でっかい公園たち(イギリス旅行記 4)

ケンジントン・ガーデンズにて。(ピーター・パンの像) セント・ジェイムズ・パークにて。 リージェンツ・パークにて。ロンドンを歩きながら、よく公園を通り抜けたり、座って休んだりしていた。たとえばリージェンツ・パークでは、バナナシェイクを美味し…

ケンブリッジの土曜日(イギリス旅行記 3)

今日はロンドンから日帰りでケンブリッジの街へ行く。ケンブリッジ大学を中心に発展した学問の都だ。バスが着いたところがいきなり広い芝生の公園だ。春の陽気、天気は快晴。土曜日の昼、小さな街は観光客などの人波でごった返している。ケンブリッジ大学の…